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つのへび日記

こなやぎのブログです。2015年4月から1年間滞在した中国江蘇省・南通市のこと、手仕事、語学、短歌など。

読書記録2013年8月

感想メモ 読書メーター 本紹介

2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1678ページ
ナイス数:14ナイス

夢野久作全集〈4〉 (ちくま文庫)夢野久作全集〈4〉 (ちくま文庫)感想
「いなか、の、じけん」が全編読みたくて購入。一つの代表作のおかげで作家の仕事全体の印象が決定づけられるのはよくあることだけど、夢久はことにそれが極端であるようだ。代表作=「ドグラ・マグラ」なので無理からぬことだが…。私は彼を、すこぶるトリッキィな探偵小説の書き手、と位置付けておきたい。数からも質からも自然だし、ドグマグを無視することにもならない。この巻ではまさにそんな「読ませる」ミステリー作家の辣腕ぶりが堪能できる。「巡査辞職」なんて徹頭徹尾、けちのつけようがない!巻末にはまさかの時代小説。怪物だ。
読了日:8月1日 著者:夢野久作


大学生からの文章表現 無難で退屈な日本語から卒業する (ちくま新書)大学生からの文章表現 無難で退屈な日本語から卒業する (ちくま新書)感想
この系統の本はタイトルからして気恥ずかしく、手に取るのが躊躇われるのだけど、著者とその軽快な文章が好きで、その「人を傷つけないユーモア」への淡いあこがれがあって読み、果たしてそのさらっとした嫌みの無い「日常文」を因数分解して見せられたような、納得の内容なのでした。この本が目指すのは、サブタイトルにあるような文章。やはりたくさん書くこと、訓練は必要だなあ。仕事や就活でいいかっこするためだけの即戦力、もといインスタントな文章作法を求める方には穴埋め式小論文ドリルでもやっていていただこう。
読了日:8月4日 著者:黒田龍之助


イタリアの猫イタリアの猫感想
好きな岩合さんの猫写真しかもイタリア、ということで、イタ語学習のやる気維持剤として購入。彼の作品がいかに桁違いに凄いかは、一度でも動物写真を試みたことのある人にはお分かりいただけるでしょう。レンズのこちら側に人無きが若し、まっすぐな目線とか、舌をチロッと出した面白顔とか、水たまりに映えたまじめ顔とか、追っかける時のバネみたいな体躯、ジャンプする手足の伸びきった瞬間、等々。「チャオと呼べば、ニャオと答える。」のコピーも白眉。
読了日:8月4日 著者:岩合光昭


人生はうしろ向きに (集英社新書)人生はうしろ向きに (集英社新書)感想
「すべて良き書物を読むことは、過去の最良の人々と会話をかわすようなものである」と言ったのはデカルトですが、南條氏によると、すべて書物とは彼らが生きた「昨日」の集積である、となりそうです(あくまで私の解釈)。さすが『酒仙』の著者、天晴れ美事な厭世観。人間には過去しかないのだ、過去に生きよう!で一冊書いちゃったのが凄いのですが、それだけならヨタ本で終わる所、古今東西うしろ向き人間録といった趣の蘊蓄が幹となり、まさに会話をかわすに値する素敵な「昨日」なのでした。すべて読みたい本が増える本は良書である。
読了日:8月8日 著者:南條竹則


ウソを見破る統計学―退屈させない統計入門 (ブルーバックス)ウソを見破る統計学―退屈させない統計入門 (ブルーバックス)感想
扱われているのは高校数学~大学文系くらいのレベルまで。対話形式のさらっとした例題&簡にして要を得た解説を1つの章として、文章量も多くなくすいすい読めました。最近は大学受験数学でも統計や確率分布のウェイトが高いらしいですが、私には良策に思えます。せめて本書の序盤にある「平均≠中央値」という認識だけでも18歳以上の人間全員に備わっていれば、民主主義も安泰じゃないでしょうか。ともあれ、全編通して、面白く読まそうという意気込みが物凄く伝わってきます(好みが分かれるでしょうが…)。ギネスビールが伏線とは驚きました。
読了日:8月9日 著者:神永正博


数学で未来を予測する (PHPサイエンス・ワールド新書)数学で未来を予測する (PHPサイエンス・ワールド新書)感想
題=テーマへの多角的なアプローチを各章で、という構成は面白かったが、いかんせんクセがありすぎてかなり読み難かった……。クセは文体にというよりも、「変人つまり天才肌の僕が俗物たる皆さんに講義してあげるよー(笑)」的な著者の立ち位置に起因しているような……。ギャンブルの章などに読める数学史蘊蓄や、細部は面白いところもあっただけに、残念。
読了日:8月9日 著者:野崎昭弘


手紙読本 (福武文庫)手紙読本 (福武文庫)感想
まず、同ページ内における固有名詞の表記のゆれ(漢字違い)、生没年の明らかな間違いなど編集ミスと言っていい箇所がいくつもあり気が散った。この時期の福武文庫はもう既にオワコン感が…と邪推したくなる。 「書きたい/書きたくない/読みたい/読みたくない手紙」等のカテゴライズは面白い。「読みたくない手紙」に恋文が含まれているあたり、にやっと。太宰の「賞くれないと死ぬ死ぬ」手紙は初めて全文(伊藤宛、川端宛どちらも)読んだけれども、これを読んでもなお太宰が大好きと公言できる女子というのは本物じゃないだろうか。
読了日:8月27日 著者:江国滋

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