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つのへび日記

こなやぎのブログです。2015年4月から1年間滞在した中国江蘇省・南通市のこと、手仕事、語学、短歌など。

日奈久温泉へ(2回目)

写真 日記 熊本 汽車 温泉 長文

日帰りで日奈久温泉に行ってきました。

一昨年の夏に一度行って以来二回目。

JR熊本駅から八代駅まで約40分、肥薩おれんじ鉄道に乗って約20分。

 

肥薩おれんじ鉄道に乗るのは3回目です。

夢の食堂車、肥薩おれんじ食堂で鹿児島へ - つのへび日記

 

日奈久温泉駅では種田山頭火が迎えてくれます。

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駅から少しだけ歩いて、温泉街(?)へ。

(?)を付けているのは、行ったことがある方にはとてもよくわかると思うのですが、町全体があまり大きくないうえ、とにかくひなびてる!何にもないのです。辛うじて「ようこそ日奈久温泉へ」みたいな看板?灯篭?みたいなアナウンスのおかげで、ああ温泉街にあたるゾーンに入ったんだなとわかる感じ。

そしてこの何も無さこそ、私(と夫)が日奈久を好きな理由でもあるのです。完全に観光地として名を馳せてじゃらんのランキングに載ってジョシジョシしてしまった温泉地には絶対醸し出せない、「ああ…こんなところまで、来てしまった…」という寂れた叙情と言いますか、まあこれは私が山頭火とか方哉とかを好むからとか、型にはまった観光が苦手とか、そこらへんに起因するのかもしれないのですけど。なんていうか、不倫旅行の行き先に選ばれることが絶対ないと言い切れてしまう、脂の抜け切った感じがかえって色を添えていて、そこに妙に惹かされて。

とにかく、ラブ。日奈久。

 

山頭火は決してものすごく日奈久温泉だけ贔屓して長逗留しているわけでもないのですが、日記に残された、かの温泉を激賞している文句を取り上げて、「日奈久=山頭火」として町おこしや観光に利用しているようです。

その日奈久を褒めるフレーズの句碑は温泉エリアの真ん中あたりにあります。

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温泉はよい、ほんたうによい、ここは山もよし海もよし、出来ることなら滞在したいのだが、―――いや一生動きたくないのだが

 

そんなわけで、エリア内には山頭火の句がいたるところにあります。

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民家の軒先とか、こんな歩道の柵にも。

 

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間違い探し。(「梅千」以外で)

 

前回も行ったお食事処で天丼を食べて、

前回も行った日奈久温泉センター ばんぺい湯でまったり入浴。

ばんぺい湯は鄙びた旅情あふれる感じの施設ではないですが、明るくて清潔で気持ちよくて、好ましかったのでふたたび。

ほんとうに晩白柚が浮かんだお風呂でした(冬季のみ)。

 

湯上がりには日の本サイダー。

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見つけると必ず飲んでしまう、ご当地サイダーがあるのも日奈久の好きなとこ。

 瓶の上部には浮彫りで「三ツ矢サイダー」と読めます。

 

温泉地にはほぼ100%野良猫がいる。そして可愛がられている。

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この日初めて会ったネコ。ばんぺい湯付近で。彼のような黒と白のツートンカラーを何匹も見た。

 

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ぬくぬく愛され家族。でもよく見ると3匹います。

彼らは例外ですが、日奈久のネコはだいたいしっぽが鈎になっていて短め。しっぽの種類、国内でも分布があるそうですね。長崎が多いんだったっけ、鈎は。

 

4時間弱の滞在で、帰りは肥薩おれんじ鉄道熊本駅までの直行快速が出ていたので、それに乗ってぴゅっと帰れました。(土日祝のみ、八代から熊本までは停車せず)

前回は平日に休みを取って行ったところ、人ごみ嫌いの私たちでもちょっと物悲しくなるくらいに入浴客や通行人がいなかったのですが、今回はまあまあ賑わっている日奈久を確認できてよかったです。

ずっとこのままじゃらんにも載らずにいてほしい。

 

手書きのぺらぺら切符がいとおしい。

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改札を出るときに駅員さんに頼むと、記念乗車券のスタンプを押してもらい持って帰ることができます。えへへ。

 

リンク

日奈久温泉旅館組合 自治体的なやつ。

熊本・日奈久温泉 路地裏ツーリズム〜ふとぶらり。散歩みたいな、旅に出よう〜 ことりっぷ的なやつ。

 

山頭火行乞記 (山頭火文庫)

山頭火行乞記 (山頭火文庫)

 

もし日奈久温泉に行ってみたいなーと思われたとして、その旅行を「ただのひなびた何もない田舎町を一周して帰ってきただけ」にしたくなければ読んでおいて損のない一冊。

冒頭申し上げた通り、日奈久への直截な言及はほんの少しですが、町のあちこちで目にする句が、たぶん違って見えます。

宿を上中下で評価してたりするような俗臭こそ、山頭火をかわいくしてる所以だとおもう。

 

併せて取り上げられることの多い彼なので、ついでに紹介。

尾崎放哉句集 (放哉文庫)

尾崎放哉句集 (放哉文庫)

 

私が高校生の頃通学電車で読んでいた本。

実は自由律俳句を知ったのは方哉からだったんでした。