つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

ギョーザ色々ばなし

ユーラシア大陸は餃子でつながっている! 中国からヒマラヤを越えてトルコ、ヨーロッパまでご当地「餃子」の旅 - それ どこで買ったの?

この記事がおもしろかったので、私も最近食べた餃子の話をしたくなりました。

もちろん中国の餃子は、上記のリンク先にもがっつり載っております。

私たちが中国に来たときにはすでに、日本が誇る外食チェーン、私も京都でたまにお世話になっていた餃子の王将は撤退していたのですが、その主な敗因が「中国の人々が焼き餃子に馴染みがなかった」というのは有名な話ですよね。
餃子は確かに中国語でもそのままで通じるのですが、人々のイメージする餃子は「水饺(シュイヂャオshui3jiao3)」、水餃子なのです。

本題に入る前に、この「中国の包み物系食品」について解説します。なにぶん、四千年の歴史を誇る国のこと、諸説紛々でこれから書くことも、一応調べたつもりではありますが、一説にすぎないというような軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

饺子、云吞、馄饨

水餃子の系統として、これらの三種があります。二番目のコレの一文字目は雲の簡体字だなと分かれば、「ああ、ワンタンね」となりますが、三番目のは…うどん? 実はこれもワンタンの仲間です。より正確に言えば、日本に伝わっているワンタンの原形に近いです。

以下、ざっと調べたそれぞれの違い。

饺子…皮は円形で厚め。北方でよく食べられる。途中でびっくり水を加えたりと、比較的長時間茹でる。水を切ったものを、酢やラー油で調味しながら食べる。

云吞…広東発祥の点心。皮は正方形で薄い。味付きのスープごと食べる。真ん中にキュッとひだを寄せる、巾着のような形が主流か?

馄饨…中国北方発祥。今は全土で食べられている。特徴としては云吞とほぼ同じだが、三角錐のような形に包んであるものが多く、日本人のワンタンのイメージに近い。

というわけで、ワンタンについては、馄饨が広東で云吞と呼ばれている、と言っても差し支えなさそうです。音も似ていますし…。
ちなみに福建や台湾では扁食とも呼ばれているそうです。
私が日本で中国語を教わっていた西安人の先生もワンタンが大好きで、「日本にもワンタンの方便面(カップめん)がありますよね」と聞いたら、「あれはワンタンではありませんね。本物のワンタンはもっと美味しいです」ときっぱりおっしゃったのを覚えています。

馒头と包子

上記のリンク先を読んで、餃子系食品が朝鮮半島でマンドウ、トルコでマンティ、モンゴルでボーズと呼ばれていることにめちゃくちゃロマンを感じたのでこれも語っておきます。
恐らく、マンドウやマンティの語源は馒头(マントウman2tou)、ボーズは包子(バオズbao1zi)から来ているのだと思われます。

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これがマントウ。具なしの肉まんです。すごくシンプルな見た目です。味もシンプルです。

そして包子は具のある肉まんです。つまりは肉まんですが、日本のよりでかいです。赤子の頭くらいあるのもあります。

ただこれだけのことなんですが、国から国へ言語が旅して変わっていくみたいな話が大好物なので、言及しないわけには行きませんでした。本題に戻ります!

「東北の味」大娘水饺

大娘水饺(ダーニャンシュイヂャオ)はチェーンの水餃子専門店、というかファーストフードなノリのお店なのですが、先日初めて行ってみました。南通人のTさんいわく、「東北の味がします」とのこと。南方では、そんなに水餃子は食べないんですよね。

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ロゴの大娘=おばあちゃんです。
今回は夫と行って、餃子+スープのセットをそれぞれ頼みました。

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手前のスープが大きいのでいまいち伝わりませんが、結構ボリュームがあります。餃子は一人あたり8個くらいだったかな。
具には当然味がついてますが、茹でたてのプレーンなやつなので、テーブルに備え付けの酢、おろしニンニク、ラー油で食べます。ちなみに辛いもの大好きな四川人は、酢を使わず、ラー油をごてっと載っけて食べちゃうらしいです。私はにんにく大好き人間なので、マーラータンにも必ず入れますし、今回ももれなく載せました!


餃子の餡は野菜と豆腐炒めのようなものが入ったもの(酸味があって美味)、肉がメインのもの(日本のギョーザに近い)の二種類にしました。大きさは日本のギョーザより一回り小さいくらいですが、皮が肉厚なのと、スープの春雨(の太い版)のおかげでお腹いっぱいになりました。
値段は2人で58元、キノコ入り白湯+餃子のセットが27元、豚かたまり肉の白湯+餃子のセットが31元でした。ファーストフードの一食としては、さほど安くはない印象ですが、とにかく量が多いのでこんなもんかな、という感じです。
カウンターに出ていたセットメニューで21元~25元のなどもあったので、はじめ注文しようとしましたが、軒並み「没有(無いよ)」と言われてしまいました。物価が上がり続けている中国なので、以前よりちょっと値上がりしたのか、はたまた時間帯など他の理由なのか、突っ込んで聞けなかったのが悔やまれます。

ちなみに、後日スーパーでの冷凍食品を見かけたので買って、それから毎朝食べています。こちらは餃子が25個くらい入って10元ちょっと。中々お得だと思いますが、どうでしょうか。