1.草
2.あま
あまたの人あまたの舌を操ってみなとは異国へひらかれたドア
3.ぼたん
ふなびとも船みる子らのちちははも心にぼたんからくさの春
4.鳥
百千鳥ゆきかう人の三連休中日はひとしく午刻となりぬ
5.雷
コンテナの積まれて旅を待つさまは雷おこしか田の字に似たり
テーマ詠「捨」
ある人は悪い心を海中へ「放て」と言った「捨てろ」ではなく
限りある生とて選ばぬままの書がふと甦る未知の地踏めば
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元ネタがあるものだけ、簡単に種明かしというか解説を。
鬼は外出て行ったきりふるさとの人ただ老いてゆく節分会(せつぶんえ)
好きな寺山修司の短歌、「かくれ鬼の鬼とかれざるまま老いて誰を探しにくる村祭り*1」から連想しました。
たましひがちょっと抜け出ては戻るやうにシ♭ドレソレドシ♭鍵が波打つ
ここ数か月の「短歌の目」では、あんまり自分で納得のいく出来のものが詠めなかったり、思いつくのにやたらと時間がかかったり、かかりすぎて締め切りに間に合わずに参加できなかったりと散々だったのですが、今月はぱっぱっと出来ました。トータルでも一時間かからなかったくらい。自分で好きだなと思うものも多くて、満足です。畢竟ことばとことばの連なりは化学反応のようなもので、長考してもいいものが出来ない時は出来ないし、いい組み合わせを引き当てられるのに、かけた時間はあまり関係しないのかもしれません。
別のエントリで書こうと思って準備中ですが、いい作用をもたらしたものとしては自分の環境の変化がありそうです。できるだけストレスのない生活を、と内向きに、守りに徹していたのをやめたのです。あまりにもストレスのない生活は、同時に刺激も足りなさすぎたのかなと反省しました。
それから、この本を読んだことも、おそらく良い作用をもたらしました。
詩と短歌と俳句を選んでいるのは、それぞれ池澤夏樹氏、穂村弘氏、小澤實氏です。知っているものも知らないものもあり、楽しめました。
特に短歌でいえば、個人的に印象的だったのは次の歌です。
吾木香すすきかるかや秋くさのさびしききはみ君におくらむ
この短歌は、林芙美子の短編「清貧の書」の作中に、とても印象的に挿入されていたことから、ずっと覚えていた大好きな一首だったのですが、この本で初めて若山牧水の作であることを知りました。
「清貧の書」は、短くてすぐに読める、しみじみと佳い作品ですので、未読の方はぜひ。
青空文庫のWeb版はこちらから。
他に『近現代詩歌』に収められている短歌で好きだったものおよび作者は、以下に。
わが胸の鼓のひびきたうたらりたうたうたらり酔へば楽しき 吉井勇
美しき亡命客のさみえるに薄茶立てつつ外(と)は春の雨 岡本かの子
シルレア紀の地層は杳(とほ)きそのかみを海の蠍の我も棲みけむ 明石海人
春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思へ 前川佐美雄
*1:私はこれで覚えていたのですが、「かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて~」「かくれんぼ鬼のままにて老いたれば~」と、上の句が微妙に違うバージョンもあるようです。本で確かめようにも、売ってしまったのか見当たらず…。
先月か先々月に、かなり久しぶりに買った『暮しの手帖』84号。
この号には、靴下などの穴やほつれをかがって直す技術「ダーニング(darning)」の紹介記事もありました。私の第一印象は、まあ面白そうだけど自分はやらないなー、でした。つまり、特に今号を購入する要素には入っていなかったわけです。あまり興味が持てなかったのは、よっぽど元がいい服などならまだしも、繕ったところでかえってみすぼらしいだけじゃない?と思ったからです。その時は。
でも、結局数日後だか数週間後だかに挑戦していました。中国で買ったユニクロのネルシャツがあったのですが、買ってすぐくらいのときにボタン穴のほつれに気づき、不便だなーと思いつつ我慢して着ていたのを思い出したからです。中国でわざわざユニクロ?という感じですが、自分で買ったのではなく正確には友人の両親に買ってもらったものなのです。
よくよく考えると、元がいい服ほど素人が針を入れると台無しになってしまうのだし、ユニクロのB級品のネルシャツなら別にどうなってもいいんじゃ?*1じゃあせっかくだし、こいつを実験台にしてみるか、と思いつきました。
糸を縦と横にそれぞれ渡し、布のような「面」にすることでほつれや穴を覆い隠してしまうと、こんな感じになりました。
同系色にするよりも、差し色になるようなビビッドな糸で刺した方がむしろ面白いかなと思い、刺し子用の赤い糸で。
ボタンを閉じてもちらっと赤が見えていて可愛いです。
『暮しの手帖』の記事のなかでは、ニットの靴下やセーター、ズボンのポケットなど色々なところに施されたダーニングを見ることができます。
やっぱり、あからさまに見えるところのは、外で着るのにちょっと勇気がいるかなーと思わなくもないですが(失礼)、実際に一着やってみると、服全体の傷みや着古しがないものや、お気に入りの部屋着とか靴下、布巾やミトンなどの布小物にならアリかもと思っています。
細かい作業のわりに単純なのでそんなに時間がかからないため、「もうちょっとやりたい!」という物足りなさがあるのも高ポイントです(あまりに終わりが見えない手芸は飽きちゃうから)。
また、なにか手頃なものに穴が開いたらやってみたいなと思ってます。「ダーニング」でちょっと検索したらミシンがいくつかヒットしたんですが、ミシンを使えばさくっと繕えるのでしょうか。縫い物はあまりやらないのでミシンも持っておらず、そのあたりはよくわかりません。色々できる人になりたい。ミシンも気になってます、ひそかに。
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主に編み物、時々料理の「手仕事」カテゴリ。
さてさて、寒露を過ぎてすっかり秋めいてきましたね。日が短くなり、虫の声が聞こえてくると編み物欲がむくむくと湧いてきます。
涼しくなってきたので、今年も編み物はじめました(軒先に幟を出しながら) pic.twitter.com/eABaXJK0LR
— いさましいちびのこなやぎ (@tnhby) 2016年9月25日
これまで、9月中はまだ暑いからと毛糸を触る気になれず、もうちょっともうちょっとと先延ばしにした挙句、完全に秋になってから(ちょうど今くらいの時期)わー!編み物しなきゃ!と火が付くというのが常だったのですが、それだとニットが編み上がるよりも冬の到来の方が先になっちゃうんですよね。そして、シーズン2作目、3作目が完成するころには年が明けていたり、下手すると立春越えていたりして、その年作ったものをあまり使えないまま暖かくなっちゃったりして。
今年はその教訓を踏まえ、ちょっと早めに編み始めてみました。たまには完成ほやほやのニットを用意して冬将軍を迎え撃ってみたいと思いましてね!!
というわけで、今シーズンの第一号ニット、「雲と山の帽子」です。
オリジナルではなく、三國万里子さんの書籍から。
毛糸だま 2014年 冬号 No.164 (Let’s Knit series)
糸はまるで買ってきたかのように本の作品写真そのままのカラーなのですが、家にあったものを使いました。
以前友人にミトンをリクエストされて作った時のものです。
色や柄はお任せでと言ってもらえたので、友人をイメージして編みました。今も使ってもらえてるといいなあ。
この帽子が完成したのは実はもう10日ほど前のことで、今は同じく三國万里子さんの『編みものともだち』から別の大物に取り掛かっています。
それが終わったら、いよいよドイツのソックヤーンを使ってみたいなあなどと思いつつ…。
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最近、お仕事で文章を書くことが多くなるにつれ、余暇に文章を書くことから遠ざかりつつありました。
だけどこれはこれとして、楽しみでも訓練でもあるけれども、やっぱり余暇として書くことは大事ですよね。
編み物みたいに、語学学習や読書みたいに、時間を決めたりしながら書く時間を少しでも確保したいです。
訓練といえば、短歌も久しぶりすぎて詠み方をちょっと忘れてしまったような感じもします。短歌筋?短歌勘?そういうのがなまっているのかな。
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帽子、今まで一番作っているアイテムかもしれない。エントリ上げたもの以外にも過去に色々作ってます。
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