つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

いなか、の、しあわせ

1位は福井、47位は大阪 都道府県別幸福度調査 - はてなブックマークニュース

このニュースが話題だけれど、仮にこの幸福度ランキングを真実とするならば、結局は佐賀(実家、5位)や熊本(現住、6位)などが上位に入るというのは「知足」=足るを知る、上を見ない、言い換えれば見るべき「上」を持たないことが大きいのではないかと思う。

もうすぐ政令指定都市になる、人口70万の熊本を(しかも佐賀県民が)田舎呼ばわりすると怒られそうだけど、市内でも郊外に住むのは車必須だし繁華街と呼べるところもただ一箇所で、地理的にも「地方」として差し支えないでしょう。そしてやはり「知足」の気質は、地方在住者のそれにちがいないと実感することがあった。

熊本の河原町という旧商店街の再活性化プロジェクトで、河原町アートの日というのがあって、アーティストが自らの作品を月にいちど展示・販売しているというので、今日すこし覗いてきたのだけれど、行ったタイミングが悪かったのかなんなのか、正直に書けば、とても落胆してしまった。

私にはそもそもアートという判りもしないものを論じようもないのだけど、少なくとも馴れ合ったり追随するだけのものではないということはおぼろげなら感じている。「アート」ということばでなくとも、創作全般(出版でも、思想活動でも)は「足るを知る」とは正反対の、ハングリーなものだと思っている。だけどなんというかあの空気は、限りなく内向きであるように見えたのだ。
大阪・中崎町コモンカフェ でも、立ち上げから日を追うにつれ内輪客だけしかまともに応対できない店主が増えてしまった、と初期オーナーが自著で語っていたけれど、なんだかそれを思い出してしまい、それから冒頭のニュースを思い出した。

はじめが内輪でも、友達の友達、その友達とつながるにつれて外界との境界が薄くなっていったり、輪の内の絶対数が大きくなったり、外の傍観者が内に飛び込みたいと羨望を抱くようになったりすれば、それはもはや批判すべき「内輪の楽しみ」ではなくなるだろう。(夜ふかし市などは、その好例だと思う)しかし残念ながら、そのどれでもなかった。そしてこれに限らず、福岡にしろ別府にしろ、地方の諸イベントの持つ、本家にきちんと学ぶ(真似ぶ)謙虚さというのはとても好感が持てるのだけど、その「追っている」意識には圧倒的な劣等感があるようで、なんだかかなしい。

と、かなり正直に書きましたが、こういうことを口先三寸でやっていても仕方がないことなので、きちんと自分ができることはやろうと、できないこともできるようになってからやろうと、そんな妙な決心がつきました。失礼も色々書きましてごめんなさい。自分にも残らず跳ね返ってくるという気持ちで、がんばります。明日から27歳です。