去る2月16日(土)、
ライターの三角由美子さんによる『熊本の海カフェ山カフェ』(書肆侃侃房)発刊記念トークライブを聴きに行きました。
場所は昨秋の一箱古本市でもお世話になった、上通りのカッパの本屋こと金龍堂まるぶんさん。(その時の記事はこちら)
前作『熊本カフェ散歩』は熊本に住んでしばらくたったころに購入し、熊本という町を知るためのカタログの一つとしてたいへんお世話になりました。
新しい土地を踏んだ旅人がまず目指し集うのは二つの「t」=塔(towor)と茶店(teashop)、と言ったのは、はて誰だったか…。
『熊本カフェ散歩』では商業施設の郊外化が進み前ほど活気がなくなった熊本市内への応援の意味、そして新刊の『熊本の海カフェ山カフェ』では九州北部豪雨で被害を受けた阿蘇を中心に、市内だけじゃない元気な熊本をアピールするため、というコンセプトがあってのものだと言うことが、印象に残りました。
お話しを聞いていて、三角さんはいわゆる「文化系女子」(カフェ巡りを楽しみお気に入りの一軒を持つような)のステロタイプとは少し違うように感じていましたが、それは彼女のアクティブさ、車で何時間もかけて取材に出かけ、とにかく店主とのコミニュケーションを重ねることが肝要と力説される積極性にも因るのかなと思いました。
まあ、ロケーションなどにおいて、熊本じゃ文化系女子やるにも車必須、みたいなところはありますが、それはそれ、そうした積極性=垣根の低さってスノッブに陥りがちな文化系女子とはかなり趣が異なると思うのであり、その点がよくあるガーリーなカフェガイドとの違いではないでしょうか。むろん、スノッブな乙女を否定するわけではございませんが。
欲を言えば、そんな生ぐささ(言い方は変ですが)やルポルタージュのような側面をより文章で味わいたかったような…。
トークショーの中で、カフェで読みたい一冊、というテーマがあり、自分なら何を選ぶかなと思い浮かべたのがこちら。
- 作者: アーネストヘミングウェイ,高見浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/01/28
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 27回
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以前南阿蘇珈琲さんについての記事で、南阿蘇さんの雰囲気を「ヘミングウェイがいた頃のパリ」としたのは、この本が頭にあったからです。
エッセイ、さらに言えば回想録ということになりましょうか。静かな文章にも若き芸術家たちの交流がきらきらしていて、珈琲の匂いをお供にページを繰りたくなります。
カフェと言えばドゥマゴ文学賞=レーモン・クノー、ということで、こちらも。
- 作者: レーモンクノー,Raymond Queneau,久保昭博
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 2012/06
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
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- 作者: レーモンクノー,Raymond Queneau,朝比奈弘治
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 1996/11
- メディア: 単行本
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そういえば文体練習は新訳も出ていますね。読みたい!!
まるぶんさんのブログでのトークライブのレポートはこちら
- 作者: 三角由美子
- 出版社/メーカー: 書肆侃侃房
- 発売日: 2011/05/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 8回
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- 作者: 三角由美子
- 出版社/メーカー: 書肆侃侃房
- 発売日: 2013/02/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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