つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

駒井家住宅(駒井卓・静江記念館)/京都市左京区

 

京都に住んでいたころ、この近辺をお散歩することはしばしばあったので、素敵な洋館だなーと眺めていました。

中を見学できる貴重な機会ということで、ちょうど関西方面に行こうと決めていたので、このツイートを見てさっそく予定を立てて行ってきました。

関西二泊、広島一泊と、大型連休中は他にも面白いことがたくさんあったのですが、これだけはどうしても独立した記事にしておきたかったので、取り急ぎ。

 

この家のあるじであった駒井卓博士は、京都帝国大学理学部教授。竣工は昭和二年、設計はヴォーリズ建築事務所。

邸内は個人使用に限り写真撮影OKとのこと。建築学専攻の学生と思しき方や、メジャー持参の方もいらっしゃいました。

 

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疏水沿いの歩道から見たところ。外壁を改修工事中。

 

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受付入ってすぐの居間。

 

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ピアノの隣には、蓄音器?らしきもの。

 

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居間の奥にあるサンルーム(1階)。窓と照明がおしゃれ。

見学客が座っても傷まないように、邸内の椅子には布がかけられていました。

 

サンルーム向かって右からは、和室に行けます。

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開放されていなかった玄関。(受付・出入口としてテラスが開放されていました)

多用されている半円アーチの窓は、当時の(アメリカの)流行であった、アメリカン・スパニッシュ様式とのこと。

 

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昔の洋館らしい、勾配の大きな階段をのぼって二階へ。

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二階には寝室が二つと、サンルーム、書斎。

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すっぽりはまってる和箪笥がなんともいい感じ。

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来客を意識した1階とは対照的に、開放感のあるサンルーム。

実際、竣工当初は窓がなかったそうです。確かに、ガラス窓の桟の外側に手すりがあるのがわかります。

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庭の緑がきれいに見えます。

 

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西日が強くて上手く撮れていませんが、書斎。

入ることができるスペースにもぎっしり詰まった本棚が複数あり、博士や奥様のものと思しき蔵書を垣間見ることができます。

 

邸宅内もさることながら、庭園の素晴らしさがひときわ印象に残りました。

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庭から外観を撮影したところ。出入口として利用されているテラスの上部には藤棚が設けられています。この時にはすっかり藤の花が散っていて、つつじとバラが満開でした。

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今をさかりの花々はもちろん、他にも金木犀や南天の木、水仙の葉、テラス脇には紫陽花など、これからの季節を待っている植物がひしめきあっていて、とてもにぎやかで楽しい庭でした。

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在りし日には水を引いて小川が流れていたようです(写真中央から左右に)。まさに動物学の博士の家らしい、ビオトープの先駆のような庭。

 

庭内には温室もあります。現在は見学用にパネルなどが置かれていますが、ここでも植物を育てられていたのでしょうか。

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今回「特別公開」とありましたが、平生も毎週金・土の10時~16時に公開されているようです。(入館は15時まで)

夏季・冬季には休館期間があるようなのでご注意ください。

 

詳しくはこちらの、管理団体である日本ナショナルトラストのサイトに。

公益財団法人 日本ナショナルトラスト‐駒井家住宅

貸切利用なども出来るそうです。