つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

落とし物が返ってくる国、中国

ニッポンちょっといい話、みたいなあるあるネタの一つに「落とし物が返ってくる」っていうのがありますね。
日本の治安、倫理観、素晴らしい!などという趣旨の、日本人に読ませるための日本語で書かれた文章です(煽っているつもり)。

さかのぼること数日前、私は学校に行こうとアパートの階段を降りていました。自分の部屋から数階下の踊り場に来たとき、何やら黒いモノが階段の手すりに掛けられているのを見つけました。

それは二ヶ月前、来てすぐに風に飛ばしてしまった、私の無印良品のレギンス(黒)。

その時はハンガーは用意があったもののまだ洗濯バサミを買っておらず、まあ大丈夫かなー?と干してみたらすごい風の日で、ふと見たときにはレギンスのあった場所にはハンガーだけがぶらぶらしており、日本から持ってきた唯一のレギンスを失った私は後日メイソウで新たに買い求めたのでした。(が、25元という格安だったのですでに穴が空いてます)

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一部では(ネタ的に)大人気のメイソウについては、また独立してエントリしたい次第です。

そのレギンスがなんでまた二ヶ月も経って出てきたのか?というのには心当たりがありまして、その日の前日にはちょうど水道トラブルがらみでアパートの周辺が掘り返されたり(工事と言うよりはこちらのほうが語感が近い)しており、それで普段人が入らないところから見つかったのかなーなんて思いました。

ちなみに話は逸れますが、その水道トラブルには我が家もしっかり被害を受けており、一日半ほど何ヶ所かの水道から水が出なくなりました。海外にいるとこういうことがあるんですね!

さすがに二ヶ月も野ざらしになったレギンスなのでばっちいのかもしれませんが、土埃まみれだったものの目立った外傷は無いので、普通に洗濯して使ってます。誰かわからないけど、拾ってうちの棟に当たりをつけて置いてくれた方、ありがとう。日本にいたとき、NHKラジオ講座の会話で「主人公(日本人男子)が豫園に観光に行ってその時乗ったタクシーに財布を置き忘れたけど、運転手さんが拾って中のカードキーを見てホテルまで届けてくれていた」の展開を聴いて「いやいやいやw」とかツッコんでごめんなさい。

まあ、それこそ財布とか、iPhoneとか、金目のものじゃなかったからどうでもよかったのかもしれないですが、それは日本でも同じだし、捨ててもいいようなものの持ち主を探そうとしてくれるのはやっぱり嬉しいですね。

何度か書いてますが、食費に比べて被服費は高いんです。まして無印良品は暴力的に高いです。先週末初めてこちらの無印に行きましたが、基本的に日本価格の2倍で設定されています。こちらの人の平均収入を鑑みると、感覚的には3~4倍ですかね。

「日本では~」「日本人はみんな~」(~の部分は誉め言葉)と言った主語のでかい自己肯定には鼻白んでいたクチですが、最近また少し違うことを考えるようになってきました。つまり、自分が本当に面積・人口ともに「でかい」国にいて、中の人々の多種多様さをまざまざ見せつけられた今、「日本人は…」なんて主語がでかいうちに入らないんじゃないか、こちらの人々十数億人に比べれば、一括りにして差し支えない程度には規格化されているんじゃないか、なんて思うんです。年を経たからなのか、環境のおかげか、はたまたリアルが充実しているからなのか、近年どんどん自分の心が広くなる気がします。嬉しいです☆

なので、今日のタイトルではあえて主語をでっかくしてみました。おしまい!