つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

変わっていくことのたのしさについて

数学者、石井志保子さんのインタビューを先日読んだ。

dot.asahi.com

とても面白かったので上記リンクからぜひ全文読んで頂きたいが、私が特に感銘を受けたのがこの部分。

大学院では代数幾何ばかりやっていました。なんか自分自身が変わっていくのが面白かった。下宿先で朝起きてご飯を食べて研究し始め、それで夜にお風呂の中で朝起きたときの自分と違っているような気がしました。

自身が変容すること、それを感じることの喜びやたのしさ。
何かを学ぶ人から、他人がどうやっても奪えないものがあるとすればこれだと思う。

pha.hateblo.jp

年末年始期間中にphaさんのブログで『エロティック×アナボリック』を知って、今まで出ている3巻を買って読んでまんまと影響を受けて、食事のPFCバランスを考えながら筋トレに励みはじめて3週間になろうとしている。

まず、食事のPFCバランスを考えるにあたっては、あすけんの有料プランのひとつである「あす筋ボディメイクコース」に1ヶ月だけ加入した。
1ヶ月という期限を決めたのは、あくまで自分にとっての「無理なく持続可能な3食」を探すことが目的で、あすけんを続けることそれ自体を目的にしないためだ。
「無理なく持続可能な」というのは、金銭的にも、ライフサイクル的にもという意味で、冷凍食品、加工食品、中食などの積極的な活用をいとわない、ということを意味する。
それを見つけたら、あとはただ実行するだけだ。
(固まりつつあるので、いずれ近いうちこれについても詳しく書きたい)

次に筋トレである。
年単位でずっとやってはいたのだが、昨年11月、新型コロナに罹患する少し前からサボり気味になっていたため、社会復帰する頃にはすっかり体がなまってたるんでしまった。
今は週5くらいであちこち部位を変えながらトレーニングをしていて、それに加え、ウォーキングをするなどして週の半分くらいは8000歩以上歩く日を作っている。

中断する前の半年間ほどは、Youtubeなどでの筋トレを手ぬるく感じるようになって『プリズナー・トレーニング』を元にスケジュールを組んで黙々と回数・セット数をこなすメニューを続けていたが、今はその日の気分で動画も観るし、特にこれと決めてはいない。
その代わり、やった内容や量(時間・回数)などは毎日記録するようにして、「胸、背中、お尻、腹筋など毎日部位を変えて鍛えること」「負荷を上げていくこと」の2点には気を付けている。
以前は楽にできていた5分動画などで苦しんでいると失ったもの(筋肉)の大きさを感じるが、みずから手放したものは自力で獲得しなおすしかないのだ。

そのようにして日々を過ごしていくと、自分が変わっていくのが文字通り目に見えて分かる。
お尻が大きく丸くなる。背中が引き締まってくる。腹筋がうっすら割れてくる。大胸筋が張り出してくる。
他の人の目からは確認できないような、見えない部位の微細な変化でも、私がちゃんと知っている。

courrier.jp

Duolingoという語学学習アプリも10年弱ずっとやっていて、ここ1年ほどは『ペリーヌ物語』の影響でフランス語をやっている。
上の記事中にも紹介されている「Match madness」という単語合わせゲームがアプリ内にあって、レベルが進むにつれて制限時間内にマッチさせる単語のペアが増えて行く。
最終レベルであるLv.9は制限時間1:45で160組の英仏単語ペアを完成させねばならず、どうしてもこの最後のレベルだけが長らくクリアできなかった。

しかし、毎週取り組むうちに、ついにクリアできたのだ。
そしていちどクリアできると、何回かに1回はかならず成功するようになった。
(まだお手付きが多くて、毎回とは言えないのが口惜しいところだが)

そのようにして、他ならない自分自身が変わることを私は楽しんでいるし、変わり続けることを望んでいる。
だけどそれは「成長」とか「上昇」を望むこととは必ずしも一致しない。
ただ変わっていくこと。
それを認め、楽しめればそれだけでよくて、それ以上のものは人から求められる義理も、他人に求める筋合いもないのだろう。
そんな気持ちで2023年を過ごしていきたいと思う。

特別お題「2023年にやりたいこと