会社でちょっと嫌なことが生じまして、これが一時的な出来事ならば本当にどうでもよくて文字に起こすまでもなく頭の中から消し去るんですけど、現在進行および未来のことなので、金曜夜からずっとくさくさとやさぐれております。
私は元来、優雅な甘いクラシックよりも、幽玄だったり厳しかったり、鬼でも出てきそうな雰囲気のそれが好きで、平生よく聴くもので、昔付き合っていた人から「朝っぱらからブラームス四番なんて聴くな!」と怒られたりしたこともあるんですけど、だからといって朝から素直にペールギュントなんて聴く人間はつまんないだろと当時はカチンときましたし、今もそうです。(この、無駄に反感を持たれそうな文章をそのままに公開するあたり、やさぐれ具合をお察しください。「朝」はふつうにいい曲だとおもいます。でも自分から選んで聴く事は、向う数十年はないかもしれません)
だから今週末は、大好きなロシアのクラシック音楽を浴びるように聴いています。
処置の甲斐あって、今はちょっとだけ落ち付いてきました。具体的には、金曜夕方には「この件に関わってる奴全員泣かす!」ぐらいの勢いだったのが「よく考えると私の被るメンドクサイことについてアノ人は直接的には悪くはないな。でもあいつとあいつは絶対泣かす!」と、少しだけ客観的思考と冷静さを取り戻しました。音楽に癒されるとかペラいことを本当は言いたくはなく、単に時間の経過のせいかもしれませんし、どのみち月曜にまた再燃するかもしれませんけどねー。
ということで、またいつ心が荒んでもいいように、以下やさぐれロシアクラシックリンク集@Youtube
Shostakovich: Symphony No.5 - Mravinsky(1983Live ...
Tchaikovsky Symphony No.5 Mravinsky 1983 - YouTube
まずはムラ様ことムラヴィンスキーのショス5とチャイ5。
youtubeではざっとみたとこありませんでしたが、ショス10も好きです。
少し前に探していたときは廃盤が多かった覚えがありますが、今や色々とiTuneで買えるんですね。ブラ4も買えるのか…。
最初に貼ったショス5はもっと音のいい映像もありますが、何となく好きだったのでこちらにしました。晩年の、タクトを使わない指揮です。しかしこの精緻な演奏は圧巻。
チャイコフスキーの交響曲はどれも、その迫力かつ計算されつくした細かい音符の複雑な絡み合いにまんじりともせず聴き入ってしまい、疲れてしまうのでBGMには向かないんですけど、途方もなく偉大なものに打ちのめされたい気分の時によく聴いてます。同じチャイコでも、背景として作られているからか、バレエ音楽は作業用BGMにできるんですけどね。
最後、ラフマニノフ。
Nobuyuki Tsujii Rachmaninoff Piano Concerto No 2 ...
ちょっと前(先週か先々週)の日曜朝のラジオ「名演奏ライブラリ」で特集された、レフ・オボーリンのピアコン2番に打ちのめされて、もう一度聴きたく探しまわったのですがなく、代わりに見つけたのが辻井伸行バージョン。(結局、オボーリンはCDを注文しました)
ラジオで聴いたオボーリンのそれは、徹底した冷酷無比さによる美しさがあったのですが、こちらは華麗で豊かで、まったく対極だけれども同じくらい素晴らしいと私は感じました。
クラシック音楽やオケの音をたまに聴きたくなる時、私は自らを容赦なく打ちのめしてくれるような、完璧な存在を欲しているのかもしれません。