つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

中国の映画館でインド映画『PK』を観ました


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留学生活ももうすぐ丸二ヶ月になんなんとしており、早く映画館デビューしたいなーと思いつつも、どうせならちゃんと好みの映画を観たいなーともじもじしていて、やっと観たい映画が出来たので、満を持して行ってきました!
 
特に熱心なインド映画ファンというわけではないのですが、アーミル・カーンの主演作は『きっと、うまくいく』が長尺ながらめちゃくちゃ面白かった覚えがあったので…。
原題は『PK』。中国語タイトルは『我的个神啊』。そのまま、oh, my god! みたいなニュアンスの語です。後でさわりだけ筋を紹介しますが、内容に沿っていて、結構いい題だと思います。ネイティブ的にはどうなんだろ?そして邦題はどうなるんでしょうか。
 
中国の映画館で映画を観るのは、「定価」は一本60元~80元くらいです。日本の1800円と比べると、あまり大差ないものの、若干安いですね。
ただし、そのままのお値段で買う人は少なく、オンラインで座席の予約+電子決済までしてしまうと2~3割り引き、時には半額以下で買えるそうで、ほとんどの人はそれを利用するのだとか。
 

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地域や映画から絞り込んで、時間の確認~席の確保まで出来るサイトです。決済には本人名義の銀行口座が必要だったので、今回は大学の友人に買ってもらい、60元→45元で観ることができました。
ちなみに上の画像にあるように、今はドラえもんの映画がヒットしており、ショッピングモール内のシネコンでは30分に一度という郊外のJRみたいなペースで上映されてます。若者にもドラえもん好きは多くて、たくさんキャラクターグッズを見かけます。ドラえもんグッズだけを扱ったショップもあります。(正規品か?については、まあ突っ込まないで下さい…)

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のっけから一人映画館にチャレンジするので、友人から決済兼予約画面のスクリーンショットを送ってもらい、あとは映画館に行くだけ!今回は繁華街のはずれにあるクラシックな映画館にバスで行きました。間違って一駅乗り過ごしたものの、なんとか到着。
映画館に着いてからは、券の引き換え機の場所が判らずおろおろしましたが、スタッフの女性が助けてくれたので、無事に発券できました!
 
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チケットです。ぺらっとしてます。レシートみたい。もぎられたあとの半券です。完全なうちに撮るのを忘れていました…。
 
今回のシアターは50席弱くらいの小さなところで、革張りのちょっといい感じのソファーで、全席カップルシートでしたw一人で来ている身としては、ゆったり使えて快適でした。お客さんも全部で10人いないくらいだったし。
 
いよいよ上映開始。日本のみたいに開始時間から優に15分はダラダラとCMが流れるということもなく、さっと始まるのが良いですね。
 
かくして本編が始まりましたが、ここで思わぬ誤算が…。
字幕がない!
吹き替え版であることは承知だったのですが、私は字幕も表示されると思い込んでいたのです。
 
なぜかというと、テレビ番組のドラマやバラエティだと字幕があるから。日本の番組の効果みたいなのではなく、普通のフォントでテロップが全文表示されるのです。
少し前のエントリの普通話のはなしとも繋がるのですが、書き言葉にはさほど差がないため、地方話(方言)のみしか解らなくても、テロップで内容が解るのです。
私もまだリスニングが弱いので、テレビを観る時はそれにあやかっていたのですが…。
 
まあ、ないものはしょうがないので、腹をくくって鑑賞しました。
さすがにディテールは解らないものの、普通に楽しめました!これが『おとなのけんか』みたいな会話劇なら絶望的ですが、まあインド映画なので!
 
今回の映画でアーミル・カーンが問題提起しているのは、なんと宗教。インドで…大丈夫なのか?と心配になりますが、実際あちらでは大成功したようで、彼自身の主演作のヒット記録を塗り替えたとのこと。
主人公のPKは地球外生命体で、事情がありインドの街をさまよう彼は、人々が口にする「神様」って誰だ?どこにいる?と素朴な疑問を持ちます。時を同じくして、恋人と運命的に出会った女の子ジャグは、彼がパキスタン人のムスリムであることから、父親に交際を反対されてしまい…。この2人が出会い、ジャグの父親が信仰する宗派の金満宗教家とガチンコ対決!という筋書きです。
 
《ここから少しネタバレしますので、前情報要らない!という方は飛ばして下さい》
 
 
 
 
宇宙人であるPKの目を通して、宗教だけでなく例えば貨幣制度や服装などの人々の常識を根っこから捉え直すという手法は、古典的ながらシニカルで楽しく、また、宇宙人というからには地球人にはない特殊能力があってしかるべきで、彼PKも例に漏れず、相手の両手を握ることで心を読むという力があるのですが、それによって物語の方向はハッピーなエンドへと決定づけられるのです。『きっと、うまくいく』同様、伏線の配置アンド回収も見事で、『きっと~』の時は「伏線すげえ!」という思いと「そりゃこんだけ長けりゃ(確か4時間弱)伏線張り放題やがな…」という思いが交錯したのですが、今回は文句なし、すっきりきれいです。
 
 
 
《ネタバレここまで》
 
日本は映倫さんがバリバリ仕事をしておられるためかなかなか新作映画の公開が遅いようで、日本の公開日ベースで情報をチェックしていると、今秋上映予定のものが中国では3月に終わっていたりと、時空のポケットに入ってしまったような悲しさを味わうことがあります。今回はたまたま百度で映画情報を漁っていて見つけたのでラッキーでした。
これからも現地の情報をうまくキャッチ出来るように、多聴多読で語学力を上げていきたい次第です。がるばんぞー。
 
あ!あとこれだけは書いておきたい!エンドロールに入ると同時に場内が明るくなって係員の人も掃除にきたのが、エンドロール最後まで観る派の自分にはツラかったです!思い出したので追記!
 
⇒2016/5/8追記
日本での公開が2016年秋に決定したようです。待ち遠しいですね!