つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

なんと帰国することになりました。

ここのところ、というか3月くらいからコツコツやっていたビザの更新のための諸々作業に追われ、そのために一時帰国までしていたというのに、急転直下、就労ビザの準備をしていた会社(外国語学校)の内部のごたごたに巻き込まれる形で、この会社からはビザが発給できないという事態になってしまいました。oh…

もう少しだけ具体的に言うと、いくつかの語学部門を運営するその語学学校から日本語部だけが独立することになったのですが、中国の法律では、新しい会社は創立後一年間はビザを発給できないそうです。でないと、ペーパーカンパニーを利用したビザの発給乱発が横行するから…なのかな? この国だと時節柄アウトなワードですね、ペーパーカンパニー…。

夫の就職先の学校ですが、私は夏ごろからちょいちょい遊びに行っていて仲のいい先生も何人かいたので、そのうちの一人から3月ごろにざっくりそのあたりの事情の勃発から経過を聞いていたのですが、まだ事態もそこまで進んでおらず、「ともあれ私の夫のビザを最優先で」ということでまとまっていたので、あまり心配はしていなかったんですけどね。まさかこんなことになるなんて。

先方からは他の手段でのビザ取得(例えばM(訪問商用貿易、なぜか代行業者を使って取れるらしいです。4/25訂正しました)ビザとか、彼らの知人の会社を通じてとか)をいくつか提案されましたが、それらはかなり黒に近いグレーな手段であり(いや、はっきり黒かも)、実態に合わないビザを持っているのがばれたら最悪二度と入国できないという場合もあるので、丁重にお断りしました。

かくして、帰国やむをえず、と決まったのはおとといで、ショックで昨日はマイクロソフトのゲームばかりやって過ごしました。部屋の片づけしなきゃいけないのに。ジグソー楽しい。

これからどうしようかなあ。国内外の何人かからは、再び中国へ戻ることを熱く、熱く期待されている現状なのですが、実際退職後のキャリアとしてならともかく、働き盛りの男女が稼ぐお金としてはこちらでの給与は(日本円で考えると)かなり心もとない、とは思い始めていた矢先でした。じゃ、心もとなくないだけのお金を稼ぐことが、日本でだったらできるのか? うーん。…有料note? 私が趣味半分で作った日本語会話の教案とか、売れるのかな。45回分で初級文法が全部入っていて、基本的に先生と生徒1対1の会話文なんですが、途中で飽きて、生徒が先生を探すけど見つからないまま終わるというメタっぽい話で1課書いたり、最後は落語『芝浜』のあらすじで使役・受身・使役受身を総復習するというシロモノなんですけど、売れるかな。ちなみにメタっぽい方は、同じく落語の『らくだ』からヒントを得ました。
本当を言えば、翻訳でちまちま食べていきたいですが、夫の仕事が見つかったりしてもしまた中国へ行くのなら、(2016年4月現在)グーグルやグーグル社のサービスを使えないためにフリーの仕事をしにくくなるし。どうしよう。

というわけで、先のことは全然分かりませんが、とりあえず来週帰国します。しばらくは、熊本の家の片づけをします。励ましてください。

シーズンオフだけど「見帰りの滝」へ行ってきました。(後篇)

こちらの記事の続きです。

佐賀県唐津地区が誇る(なけなしの)名所の一つ、見帰りの滝。
ことに相知町にとっては、マンホールにしちゃうくらい、これしかない!といっても過言ではないこの町のアイコンだったりします。いや、他にもあるよ!ありますとも……。

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あまりにも見事な滝なので帰り際にも思わず振り返って見てしまう、というのがその名前の由来なのですが、遊歩道とは名ばかりのまあまあハードなぬかるみ道(これは雨上がりなのが原因)を行けど、なかなか滝は見えてきません。

子供のころは毎年のように来ていたところで、遊歩道のルートもまったく変わっていないはずなのに、こんなに長かったっけ? そして、記憶の中の風景より、なんというか…ずっと自然に還って行っているような気がしました。
前日~前々日の風雨で、細い枝がいっぱい落ちているところを踏みしだきながら歩いていたからそう思ったのかもしれません。でも、昔腰かけることができた岩には緑色の苔がふかふかに生えているし、この新緑の季節だから、だけが理由なのか、この緑に包まれた、原始的なたたずまいは。

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そこはかとなく漂う屋久島感…。いや、ジブリ感?

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あとふた月か三月もすれば美しく咲くであろうあじさい。
落花の赤が美しい。

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そしてようやく、滝が見えました。


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これを撮ったのは、滝を見るために作られた長い吊り橋の上ですが、吊り橋のちょうど真ん中に立つと、松の木が重なってきれいに見えませんので、遊歩道寄りで撮っています。
ここから、これまで歩いてきた渓谷側を撮ったのがこちら。

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滝へは、上の写真で見える一番奥のコンクリート歩道の、さらに奥の岩場まで近づくことができます。顔や体に当たる微かなしぶきが気持ちいい!
このころには、晴れ間が見え、日差しが気持ちよくなっていました。
誰もいないのをいいことに、滝を背に、乾いた広い岩に寝そべってみたり、でっかい岩に助走をつけてよじ登ってみたり。

帰りは渓谷を挟んだ反対側、舗装道路のほうを歩いていきます。

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滝の脇には、不動明王。「鯉供養塔」の文字が読めます。夫がさっき食べた鯉こくの鯉を悼んで合掌…。

舗装道路へ上がる前の石段。雨で散った桜の花びらが地面にも、岩肌の苔にもたくさん貼りついていて、きれい。

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この世の中にある大抵のものは大人になると小さく感じるのに、子供のころ遊んでいたときよりも、ずっと大きく険しく感じました。また今度帰国したら、きっと来よう!


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おまけ。でっかいカタツムリのオブジェがそこかしこに。唐津ワンダー。

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シーズンオフだけど「見帰りの滝」へ行ってきました。(前編)

帰国4日目。昨日から、唐津の実家に寄せてもらっています。魚うまい。

夫がまだ一度も行ったことがないということで、今日は九州一の瀑布という「見帰りの滝」へ行きました。

見帰りの滝(唐津市相知町) | 観光情報検索 | あそぼーさが

日本の滝百選にも選ばれた唐津市相知(おうち)町の見帰りの滝。春は桜、夏は深緑、秋は紅葉がそれぞれに滝を彩ります。特に見ごたえのあるのが6~7月のアジサイ。ブルー、ピンク、紫など40種約40,000株にものぼるアジサイが九州一といわれる豪快な滝と見事な風景を演出します。滝一帯は見帰りの滝公園として整備され、滝をいろんな角度から眺めることができます。
(上記リンクより)

…などと、よそよそしい紹介をしてみましたが、正直言って超地元スポットです。どれくらい地元かというと、義務教育のころに美術の授業でスケッチしに来たくらい地元です。しかしそのことは措くとして、今日私たちが「見帰りの滝」の最寄り駅であるJR相知駅から徒歩で滝へ行き、それからまた相知駅へ帰ってきたよ、ということを前後編に分けて記します(一度に書くつもりが、長くなってしまったので)。
これからアジサイの見頃になると、「見帰りの滝」は唯一の繁忙期…もとい、ベストシーズンを迎えるので、ぜひぜひ、行ってみてください。

というわけで、まずはJR相知駅からスタート。

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「見帰りの滝まで車で5分」とあります。私たちは車がないので、歩きます。ちなみに歩くと一時間弱かかります。それにしても、情報がアップデートされている気配のない観光案内。最近(といってもここ10数年のこと)できた温泉が載ってません。

まあ、観光というより町民が使う感じだしなー。

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駅から歩きはじめて、10分経過したあたり。何もありません。後ろのほうの山々も、靄がかかっていてこの時はよく見えません。
とはいえ、雨が降る気配はないので安心して歩きます。
実は歩いて自分たちだけで目指すのは初めてだったので不安でしたが、所々に案内板が出ているので道には迷いませんでした。

さらに20分経過。バス停がありました。

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一日3便。そして躍る「日祝運休」の文字。

川沿いの道まで来るともう安心。川の上流に向かっていけば滝です。
子供のころ遊んだ覚えがある渓流。平日だからか、今日は誰もいません。飛び石がぬるぬるしてて結構怖い。

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そんなこんなで、ようやく滝の入り口に着きました。が、お腹が空いたのでここにある旅館兼食事処でご飯を食べました。

佐賀 相知町 あじさいの宿|都荘 -相知の郷土料理

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うな丼。うまい。肝吸い超うまい。夫は鯉こく御膳を食べました。
写真がなくてすみません。上記のリンクから見られます。リンクのお品書きの中には、要予約のものもあるので、注意です。

うなぎ。実は中国(南通)の日本食レストランで一度だけうな丼を食べたのですが、なんかぶよぶよしてておいしくなかったんですよね。たぶんその時食べたのは鰻魚という、鰻ぽい川魚だったんじゃないかなーと思います。煮物にしたらけっこうおいしい魚ですが。たとえ味が似ている魚だといっても代替にはならないものなのだなとその時思いました。


体力が戻ったところで、いよいよ滝へ。この先は、車も通れる舗装道路と徒歩用の遊歩道に分かれています。
意気揚々と遊歩道を歩きだしたのですが、なかなか「遊」というほど気楽に進めるものではありません。前日までの雨で道が悪くなっているのもそうですが、そもそも険しい。そしてなかなか強引。

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たとえばこんなところとか…

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こんなところとか。よそ見できません。もはやこれ、遊歩道じゃないだろ!などとツッコミを入れつつも、足元に気を付けながら進んでいきます。

片側は渓流、もう片側は苔むした岩肌。まだまだ滝は見えません。

後半へつづく!

引っ越しました。

早いもので、もう3月末。『あさが来た』も今週で終わってしまいます。寂しい…。


私は、相変わらずビザのことや何やらやっています。
夫の職場が4月から変わるので、今はとりあえず先に夫のビザ更新に向けて、彼に替わって新しい職場のスタッフとやり取りしながら必要な書類を作ったり、日本から取り寄せたりしています。

就労ビザの期限は最長一年なので、どのみち更新する必要はありますが、同じ職場でする分にはびっくりするくらい簡単だそうです。反対に、職場を変わるとなると、一から色々と書類をそろえたり、申請をしたりする必要があるということで…。もう、こんなに大変だとは思わなかった!

夫のビザが無事降りたら、次は私のビザです(このあたり、同時に出来るのかもしれませんが、まだ現時点では確定せず)。
日系企業の駐在さんや、大きくてこういう手続きに慣れている職場ならポイッと会社に丸投げでいいかもしれませんし、例えば「中国 ビザ」などで検索すると、代行業者がわんさか出てきますから、そのあたりを使って来ている人も中にはいるようです。

夫の会社は残念ながらそのような所ではないし、私が根っからアウトソーシングが苦手な性分ということもあってこうしてバタバタしているわけですが、上手くいったらまたブログ記事にして、情報が欲しい人と共有できたらいいなあという魂胆もあり…。

代行で取得できるビザにも限りがあるようで(当たり前か)、代行業者(旅行代理店?)に投げている知り合いも、なんだかんだで3ヶ月ごとに帰国して更新、を繰り返していて大変そうなんですよね。お金がうなるほどあって時間がないならそうしてるかもしれませんが実情はその逆だし、高いお金を払って、個人情報を渡して、その上そうした面倒くささを強いられるよりは、腹を据えて一回がつんと作業して、きちんと一年有効の年次ビザ(期間中何度も帰国可)を取得しちゃいたいなーと!

そういうわけで、近々ちょっと帰国します。どうしても本人が日本で申請しないといけない必要書類が出てきてしまったので…。

合間を縫って兵馬傭展に行けたらと思っています。中国で見ろよって話なんですけど、西安は遠いのです。


前置きが思いのほか長くなりました。
そんなこんなで、ビザ更新についてはまだ作業中ですが、とりあえず先週末、先に引っ越しました。
今までの住居はその職場が所有する不動産だったので、また新しい職場で別の部屋を探して契約してもらいました。

引っ越し作業は、いつもお世話になっている友人ご両親に、自家用車で2往復してもらって、完了。
引っ越し日より前に鍵をもらっていたのと、二つの家の間隔が徒歩15分くらいだったので、小さいものは自分たちで時間を見つけて運んでいましたし、こちらの家は家電やテーブル、ベッドなどの大きい家具はだいたい備え付けなので、こんなもので済みました。それでも一年住んでいると、結構物を増やしちゃうんだなと思いました。身軽に生きるのは難しいですね。

新しい家はこんな感じ。間取りスキーなので間取りを書きました。

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中国の家はだいたいみんな土足ですが、ここの大家さんは大変きれい好きで、下見段階ですでに土足禁止、使うときもそのようにして欲しいとのことでしたので、そうしています。やっぱりこの方が掃除が楽ですね。

契約する前は、外国人に貸すのを嫌がられたりしたらどうしようと心配していましたが、彼女は「日本人はきれいに使ってくれるだろうから大歓迎!」と言ってくれました。そ、掃除が苦手な日本人だっているんですよ!プレッシャー半端ないぜ…。

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最後に、前の家の周りをよくうろうろしていた、私達が「多部ちゃん」と呼んでいた犬を紹介して、本エントリを締めます。さよなら、多部ちゃん!

『響け!ユーフォニアム』をついに視聴しました。

去年放映されていた、吹奏楽経験者を揺さぶると噂のアニメ『響け!ユーフォニアム』を視聴しました。「観ました」ではなく「視聴しました」、と敢えて使いたくなるほど、音の効果によるところが非常に多い作品ですね、これ。

私はほぼ全編通してイヤホンで聴いていたのですが、これもかなり正解だったように思います。ぜひこれからごらんになる方は、イヤホンもしくはいいスピーカーで視聴されることをお勧めします。

あまりアニメを見る方ではないのですが、これを視聴しようと思ったのは、吹奏楽がテーマで、しかもユーフォニアムというマイナーな楽器が重要な位置におかれているところに興味を惹かれたのと、なおかつ評判が良かったからです。

ここから感想や気づいたことなど少し書きますが、ネタバレ上等な方は読んでくださると嬉しいです。



私も、中学の途中から高校生までブラスバンドをやっていたので、全部の視聴を終えてからちょっと悩みました、いや、今も悩んでいます。私がすごく面白い、いい作品だと思ったのは、私が吹奏楽経験者だからなのか、それを差し引いてもなお面白いのだろうかと。

私がいいと思ったのならそれでいい、といえばそれまでなのですが、本にしろ映画にしろ、こういう、客観的な判断が難しい作品に出会ってしまうと、詮無いのは承知ながらそんな疑問を抱いてしまいます。でも、私のような門外漢の耳目に入るくらい評判がいいということは、やはり一つのアニメ作品としても出来がいいということだろうな。

ただ、私には懐かしさ(トラウマ的感情含む)が刺さったようには思われません。
人生において、あの頃に戻りたいとかあまり思ったことがない人間だからかもしれないし、主人公たちと重なる部分も多いものの(例えば万年銅賞だったけど自分達の在籍中に初めて金賞を取ったとか)、最後まで自己投影やノスタルジーに囚われることはありませんでした。「あるある!」は多発しましたし、単体で懐かしいものはたくさんありましたけど(パート練とか、楽器搬入とか、譜面隠しとか)、思い出の呼び水にまではなりませんでした。

だらだら書くととりとめなくなってしまうので、好きなシーン、好きなところなど挙げていきます。

第一話・『暴れん坊将軍のテーマ』

全編通してすごいなーと思ったのが、リアルな演奏シーン。映像だけでなく、あからさまなまでに劇中の個々の演奏シーンで、クオリティに差を付けてきていたことです。

例えば本編終盤の、三年生の「普通に上手い」子と一年生の「特別な存在」でありたいと欲するサラブレッド的な子との、トランペットソロを巡る吹き比べ。前者は、本当にただただ「普通に上手い」のに対して、後者の演奏は音に丸みと艶がある、伸びるほどに豊かに響く、ビブラートもふんだん、と言うように、作中人物だけでなく視聴者までも『あ、これは明らかにこっちがうまいな、かなわないな』と思わせられるのに十分な差をつけています。*1

ちなみにこの一年生の彼女、高坂さんのトランペット演奏シーンはどれもいい。特に『家路』のシーンが好きです。ぐっときます。


暴れん坊将軍のテーマ』に話を戻しますと、これは新入生歓迎ということで演奏される楽曲で、校門をくぐった主人公が一番はじめにこの学校の吹奏楽に触れるシーンなのですが、もう本当に下手くそなんですよ。それがまた、こと屋外だとこうなっちゃうよね、という身に覚えのある下手さ加減。

普通ならここで「かっこいい!」とか目をキラキラさせて入部、と相成るシチュエーションでしょうが、なんせチューニングガタガタのズレまくった『暴れん坊将軍のテーマ』(選曲もシブい)、そして主人公は小学生の頃からのユーフォ経験者。彼女は演奏を見て「だめだこりゃ……」と呟きます。この流れで、おっそう来るか、これ本当に面白いんじゃないか、と改めて期待を抱きました。


第一話・『地獄のオルフェ』

主人公たちの顧問となる滝先生の持っているポータブル音楽プレーヤーから流れる『地獄のオルフェ』に乗せて、入学初日の登校を終えた主人公の自室の映像、彼女が回想する中学の吹奏楽コンクールの映像が交錯します。先生が聴いていた『地獄のオルフェ』は、彼女たちのコンクールの音源だったのです。楽譜を眺めながら、高校でも吹奏楽を続けるか否か、物思いにふける主人公…というシーンです。

楽曲を軸に展開する映像がとにかく美しくて、涙が出ました。ぜひここはイヤホンで。


第五話・サンフェスの『ライディーン

毎年地区内の高校が出場するサンライズフェスティバル・通称サンフェスで、主人公たちの吹奏楽部が演奏したマーチング楽曲です。元曲はYMOのですね。

この時には滝先生の指導が入って上手くなっているので、音も映像もとにかくかっこいい!第五話はマーチングのシーン目当てで二回観て、二回とも格好良すぎて泣きました。我ながらキモい。


最後のチューニング

コンクール当日の最後のチューニング音、F音が混じっていた気がしたのですが、どうでしょうか。

第四話の低音パートの練習で、ぴったり合ったから倍音が聞こえた、というシーンがあって、私は三回聴いても分からなかったんですよね。もともと私は倍音をキャッチするのが得意でないので、このコンクールの場面ではあえて演出として、みんなに分かるようにF音を入れてきたのかなと思いました。


(高校生の無責任さが)すごくリアル

これまで音の話ばかりしましたが、人間描写、特に全体の総意たる「その他大勢」の心理描写が秀逸です。

心理描写があるのにその他大勢というとおかしいですが、厳しく練習する気も特にないのに、全国を目指すのか仲良し部活動に甘んじるのかの選択に迫られれば前者を選ぶところとか、先述のトランペットソロを聞き比べてどちらが上手いか選べと言われて、差は歴然なのに沈黙したり……。

無責任なんですけど、これが普通なんですよね。主要キャラたちがいい子たちすぎると思うこともあった分、余計にこのあたりのリアルさが際立ちました。


サントラも凄い

本編があまりに良かったので、サントラ集『おもいでミュージック』を探して聴いてみました。

TVアニメ『響け!ユーフォニアム』オリジナルサウンドトラック おもいでミュージック

TVアニメ『響け!ユーフォニアム』オリジナルサウンドトラック おもいでミュージック

通常のBGMや使用楽曲のフルバージョンだけでなく、劇中でちょこちょこ出てきた作中人物のワンフレーズ~ワンパートの演奏も収録されています。

楽曲で言えば、例の『暴れん坊将軍のテーマ』と吹奏楽曲『海兵隊』は指導前・指導後バージョンのそれぞれが収められていて、彼らの「成長ぶり」がよく分かるようになっています。こうしてちゃんと聞くと、ピッチも拍も合ってないし、木管のリードミスもはっきり聞こえるし、本当にあからさまに下手で面白いです。


長々書きましたが、ちょっと百合百合しすぎじゃ?と思ったの以外は概ね素晴らしかったです!……いや、もしかしたら他校の(または今の)吹奏楽部はあんな感じなのか?少なくとも自分の時はせいぜいバレンタインに後輩からたくさんチョコもらえるくらいだったんだけど。

きっとブラス経験者ならなおのこと面白いし、そうでない方にも面白いのかどうか知りたいのでぜひ観ていただきたいです!


本編の最後で、主人公達の北宇治高校吹奏楽部は府大会で金賞を受賞、しかし関西大会に進出できる府代表に選ばれたかどうかは不明のままでした。経験者としては、万年銅賞の学校がいきなり金賞受賞と同時に上位大会出場はありえないよなと思いつつ、いやいや物語的にはそれでも行ってくれる方が面白いよね、と期待してしまったり…。

今夏には第二期もあるとのことで、あえて原作には踏み込まずに楽しみに待とうと思います。いや、でも読んでみたいな。迷う。

【TVアニメ化】響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)

*1:Wikipediaによると、演奏は全編ある音大の学生たちが担当していて、下手な演奏シーンではあえて演奏の質を下げているとのことでした。件のトランペットソロのシーンでは、それぞれ学生奏者とプロ奏者を使って差がくっきり出るようにしているそうです。

今月は中国語を頑張ります。

前にもちらと書きましたが、今年に入ってから、毎月一つの言語を強化しようと決めました。

一ヶ月で何ができるんだよって感じだし、千野栄一先生も「新しい言語を始める時は最低半年は集中する必要がある」とおっしゃっていますが、せめてその言葉の仕組みを知って把握する程度には触れられたらなあという言語がたくさんあるので、あまり実利には適っていないのを承知で、そのように設定してみました。
もちろん、この試みはまる一年続けることなく途中で挫折するかもしれませんが、まあ、始めるのは自由ですから。

というわけで、1月はタイ語、2月はエスペラント語をやりました。タイ語は途中でダレてしまい、阪大高度学習コンテンツのカリキュラムの、第二課の途中までで止まってしまいました。
敗因は多分、文字の難しさ。同じ発音にも数種類の文字があって、単語ごとに使う文字が決まっています。漢字みたいですね。まずローマ字書きやひらがなから入る日本語学習者のように、思い切って文字は捨ててまずは文法習得ということにすれば、もう少し進めたかもしれません(コンテンツでも、それを推奨してましたし)。
エスペラント語は、ほぼ毎日…とまではいかないものの、2月いっぱい定期的にDuolingoを使って勉強出来ました。こまめに復習バーを満タンにしていた甲斐あって、レベルは7に。


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ということで、今月は初心に返って、中国語を頑張ります。
エスペラント語もペースを落として続けたいし、全く未習の体系の言語をやるには少しエネルギーが足りないというか…。

そして、留学中の学校でのレッスンのレベルが突然上がってしまったというのもあります。
HSK5級に合格してしまったので、学校としてはそれ以上の内容をしなければいけないということになったようで…今は6級模擬試験の文法解説をやってもらってます。
今のところ6級を受ける予定はすぐにはなかったのですが、これならレッスンの内容を忘れないうちに早めに受けた方がいいのかなあと考えはじめています。

というわけで、現状報告でした。ビザの更新やらなにやらで、最近は少しばたばたしています。更新のことってネットで探してもあまりないんですね。無事に手続きが終わって更新ができたら、記事にまとめようかな。

私も「吹き替えですか?」って言われたい。

二日ほど前に、こちらのSNS「Wechat」*1のタイムラインで話題になっていたトピックがあります。

爆买日货中国大妈现身日剧,算是被黑吗?_日本窗-爱微帮
『日本のドラマに登場した中国人の「爆買いおばさん」、これってヘイト?』

記事の中で言及されているのは今期の連続ドラマ『ダメな私に恋してください』のワンシーンで、ヒロインが探していた商品を、同じく買おうと先に確保していた中国人観光客から譲ってもらおうとして交渉の末に相手は承諾、ただし「倍の値段なら譲ってあげていいわよ」というオチがつく、という内容です。

記事を提供していたのは「日本窗(日本の窓)」という、どちらかというと日本ファンのための記事配信サービスということで、タイトルはやや煽り気味なものの、本文でも「私たちだって抗日神ドラマを作っているのだから、君たちを許そう。」とジョークを交えて紹介されています(今の中国の若者の多くは、抗日ドラマを「ネタ」として捉えているふしがあります)。
また、私のタイムラインにいるのも基本的に日本語を教えたり習ったりしている友人がほとんどです。

そうしたバイアスがかかっていることもあって、大半のコメントやタイムラインでの反応が「ヘイトとは言えない、考えすぎでしょ」「ギャグとして普通に面白いオチ」と冷静に受け止めていて、「これはディーン・フジオカの中国語力を発揮させるために入れたエピソードだから、それ以上の意味は特に考えなくていい」というこの上なく的確なコメントもありましたw

その他の反応としては「わざわざオリジナルエピソードを入れてまでこんな風に中国人を出すなんてひどい!」という(ある意味)ストレートな反応、「いやいや、商品を転売するのにちょっと色を付けるのは普通じゃないの?」という、そっちかよ!な反応*2、その他ドラマや中の人の話題でわちゃわちゃ盛り上がっているコメント多数、という様子でした。

同じ記事で検索すると、別媒体に転載されたものもあって、そちらの方のコメントでは「今やシナ族の爆買いを嘲笑するのが日本人の数少ない娯楽なんだろうな」みたいな過激なものもあるにはありましたが、まあヤフーのコメント同様、それぞれに色々な考えの人がいるということで…。

深キョンもディーン・フジオカも中華圏での人気が高いので、このドラマはこちらでの好感度が高いようです。私の友人の一人は「前回の月9『5→9』よりも面白い!」と言ってます。

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上記記事のコメントの一部。「深キョンの新しいドラマじゃん、彼女かわいいよね」など。
『请和废柴的我恋爱*3』はドラマタイトルの直訳ですが、深キョン演じる主人公の苗字「柴田」と「废柴(ワナビーフリーターなどを指す広東語由来の自嘲語。もとは香港ドラマのタイトルから広まったそうです)」の柴が掛かっていて、上手い訳だなーと思います。

30代以上のドラマファンには「あの台湾ドラマに出ていた藤冈靛ね!」という反応ですが、若い人には日本人同様、日本のドラマ「探偵の探偵」「あさが来た」やこのドラマで知ったという人も少なくないようで、世代によっては逆・逆輸入(というのかな?)みたいな状態になっています。

kn.hatenablog.jp

というわけで、私も「そっちかよ!」と言われそうですが、この記事のコメントで一番衝撃を受けた部分がこちらになります。

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「この男性主人公の中国語、吹き替えでしょ?」
「自分でしゃべってるよ」

すごい、すごすぎる…真了不起!!
ネイティブにこんなことを言わせるというのは、相当なものですよね。いいなあいいなあ。
こういうのを見てしまうと、「しゃべるだけならコジキでもできる」などと嘯いてひねくれたりしてないで、頑張らないとな。という気持ちになります。

kn.hatenablog.jp

翻って、現在の私はといえば、友人をして「この前、なんか頑張ってしゃべってたじゃない?あれ、前よりかなり上手くなってるなーと思ったよ(原文ママ)」と言わしめるのが関の山で…。
うん、ありがとう、嬉しいんだけど「頑張って」は余計だよ!と思いつつ、事実頑張ってしゃべってるので否定できない。そんな現状。

しゃべるのは嫌い。口を開くのがおっくう。そんな自分の性格を飼いならしつつ、ではどうすれば能力を上げられるか? そういう風に考えていかなければいけないなと、ディーンさんを見ながら思いを新たにしました。おしまい。

*1:LINEのようなメッセージサービスが主機能のアプリ

*2:彼らの名誉のために付け加えておくと、自分が代理購入を頼む(人から売ってもらう)ときも、多めに払うものみたいです。私が頼まれた時もそうでした。

*3:请与废柴的我谈恋爱と書かれていることが多いです、谈恋爱は「愛を語る」から転じて「恋愛をする(恋愛状態になる)」というコロケーション