つのへび日記

こなやぎのブログです。手仕事、語学、短歌、読書や映画など。

Twitter連用日記化プロジェクト

先日こんな記事を読んで、そういえば前から連用日記に興味があったことを思い出した。

www.churio807.com

3年日記・5年日記・10年日記など、ある長期間にわたって書く仕様の日記の総称を「連用日記」という。

たとえばこんな専用のダイアリーがある。
ちなみに、自分が書店員だった頃は連用日記といえばミドリか博文館の2社というイメージだったが、ディアカーズというメーカーもあるらしくて、そちらはキャラクターものがあったりして少しキャッチ―な感じ。

連用日記の専用ダイアリーを買ってもいいが、この中途半端な時期(4月末)に始めるとなんだかおさまりが悪い。
何年用のものを買うべきかという選択肢も生じる。3年日記を買って、使い終わる頃にもっと長いものにしておけばよかったと思うかもしれないし、逆に10年日記を買っても長続きしないで余白が無駄になるかもしれない。
万が一何かあった時、家探しされて人から読まれたくない(そんな内容にしなければいいのだが)。それに毎週のタスクや筋トレメニュー等の管理に使っている紙の手帳はすでにあるので、紙モノはこれ以上増やしたくない。
kn.hatenablog.jp

少し考えて、表計算ソフトで連用日記を付けるのはどうかと思いついた。
これならば行列を自由に増やせるので、年数にとらわれず際限なく増やすことが出来る。

参考になるフォーマットを探すべく「連用日記 エクセル」でGoogle検索すると、やはり思っていた通り、すでに先人がいた。

kosstyle.blog16.fc2.com

ところで私は2カ月ほど前に、いつTwitterのアカウントを消してもいいように自分のツイートのアーカイブをダウンロードしていた。

設定>アカウント>データのアーカイブをダウンロード からできる

表計算ソフトでつける連用日記はゴールも決まっていないが、スタートも決まっていない。
今のTwitterアカウントは2014年4月なかばに開設していて、もちろんツイートをしていない日や消している日もあるのだが、ここに書いてあることを抽出しコピー&ペーストするともうそれだけで8年分の日記ができてしまう。日記はこれからのことを日々したためるものだと、いったい誰が決めた?

そういうわけで、先日から少しずつ時間を見つけてはTwitterアーカイブを参照しながらGoogle Spreadsheetのセルを埋めている。Twitterへ投稿した内容のうち、日記として使える部分、正確には今の自分が必要だと判断した部分だけを使うので、そういう意味だと純粋な連用日記とは呼べないかもしれない。その場で考えたことを断片的に書いたツイートを、順番を入れ替え、読むうちに思い出した当時のことなども書き足し、文章を日記風に校正する。2022年の私の編集の目がそこには働いている。

ここまで読む分には、こんな作業何が面白いのかと思われそうだが、けっこう楽しい。過去ツイートを眺めながら、フォローフォロワーも大して多くないアカウントで、RTもいいねも大してつかないツイートをしょっちゅう投稿して我ながらむなしくならないのかとまったく思わないといえば嘘だが、それはその行為(ツイート)自体にそう思うだけで、内容に対して思っているわけではない。
私が書くものは面白い。私が考えていることも面白い。食べたもの、読んだ本のことも面白い。正直、下手な他人の文章を読むよりもずっと面白い。自分ではそう思っている。だから読み返して編みなおす作業もけっこう楽しい。引退後に暇を持て余したひとが自費出版に傾倒する気持ちがほんの少しわかってしまった。

私の場合は頻度や量からTwitterが連用日記のメインのデータベースとして最適だと判断したものの、もちろんTwitterに何でもかんでも書いていたわけではない。2015~2016年の中国にいる間はこのブログを(今よりまめに)更新していたので、その情報で埋めることもできる(それはTwitterからの作業がひと段落ついてから)。紙の手帳に付けていた内容を転記することもできるし、Amazon等ネットショッピングの購入履歴もアーカイブになる。ネットに何らかの情報を残すことを強く拒まない人にとっては、現代は日記をさかのぼって付けることに適した環境なのだ。

Twitterと日記といえば、昨年12月にはTwitterでのアドベントダイアリー企画に参加してみた。
twitter.com
一日ごとに共通のハッシュタグを付けてその日の日記をつぶやくことで、他の人の同じ一日をハッシュタグから一覧できるというもの。連用日記は一年の時の流れを縦軸、同じ日の別の年のできごとや思いや暮しを横軸としてとらえるものだが、これは同じ日を生きた別の人のそれらを横軸上に見ることができてたいへん面白かった。

上記のような素敵な使い方もまだまだあるし、Twitterをすぐに消すとかどうこうすることは今のところ特に考えてはいないが、接触頻度を減らしたいとはずっと考えている。*1自分の書くものは面白いと思っているが、中にはそうでないものももちろんあるし、そもそもTwitterに書くという行為は面白いのかというと、おそらくそうではない。この作業が自分にとって、そうしたTwitter利用の見直しの機会になればいいとも思っている。

以前読んで面白かった本。古今東西日記文学や文学未満の日記の紹介を読んでいると、日記を付けたくなってくる。

昨夏読んだ本。最近また少し再読中。

*1:昨年8月に1ヶ月Twitter含むSNS全般を見ない生活をやってみたが、結局その後戻ってきてしまった。